『ばいばい、アース』の撮影処理BeforeAfter動画を公開いたします。また、今回の特集記事は前編後編に分けてお届け!!
前編は2024年7月12日より公開された『ばいばい、アース 第1シーズン』1話~10話までをまとめました。
撮影スタッフのコメントと一緒にお楽しみください。
第一楽章 出立。赤い時刻にて
初めてのルンディング(剣)の開花エフェクトカット、思い入れ深いです!
日常シーンからガラっと雰囲気が変わるカットなので、丁寧に空間づくりを意識しました。
第二楽章 由縁。聖星照の下
時間と色が密接にかかわっているので、限られた色の範囲内の印象で、リッチに見せられるよう頑張りました!
通称クサリエフェクトなので縛られつつ、ねっとりと重い感じに作成しています。
第三楽章 決別。大地を奏でる者たち
作画素材のエフェクトに撮影処理で火の粉類を足しています。キャラの顔を見せたいのとカメラ手前にエフェクトがあることを表現したいため深度ボケを入れてより手前に存在して見えるように調整しています。
作画の動きに合わせて配置した魔法陣をはじけさせています。剣が魔法陣に当たったタイミングで火花も足してぶつかった時の衝撃を強調出来るように調整しました。
第四楽章 刻印。証、未だ遠く
もやもやとした発光エフェクトに合わせてナメダシの境界線がもやもやになるように歪ませてエフェクトとなじむようにしています。
キャラクターがフェードアウトするときに粒子になって消えるような表現にしています。舞っている花びらは空間に舞っているような表現をしたいためキャラクターの手前と奥で大きさを変えて配置しています。
第五楽章 演技。剣と天秤、正義と悪
矢が光っていることを強調するため発光感を出すフレアの処理に追加でレンズフレアを入れています。
魔法陣の発光感を撮影で足しています。魔法陣出現時の強い光に合わせてキャラクターは光受けで逆光になるように調整しています。
第六楽章 協奏。死の咲き誇る地で
背景に光源となる炎を撮影で足しています。それに合わせてキャラクターに影やフレアを足してその空間にいるように少しでも見えるように調整しています。
背景と魔法陣の動きをどちらも撮影で作成して配置しています。暗い背景の中から発光物の魔法陣が出現しているためキャラクターにはそれに合わせて光受けを足しています。魔法陣は数が多く配置に時間がかかりました。
第七楽章 試者。呪いと祝福のかたち
撮影で空間に光の粒子を飛ばしています。こちらも前後感を出すために手前の粒子には深度ボケを足して手前に飛んでいることを強調しています。
灰で魔法陣を描かれていると伺っていたので発動したときに灰の粒子足しや気流などを撮影で足させて頂きました。良い感じに見えていたら幸いです。
第八楽章 舞踏。魔の華に揺らめいて
シチュエーションも踏まえて、品のよい煌びやかさが表現できていればよいのですが・・・!
作画の良さを生かしつつ、炎では熱さを、衝撃波では空間のゆがみなど演出を足しています。
第九楽章 沈黙。奏でぬ鍵
こちらも空間に光の粒子を飛ばしているため前後感を出すために手前のものには深度ボケを足しています。また、画面全体に光の明滅を薄く入れていて空間が強い光に包まれている表現を足しています。
飢餓同盟にねっとりと飲まれるようにエフェクト作成しました。別話数でも出てきますが、そのときは勢い重視しているので違いにもご注目ください!
第十楽章 螺旋。唸る剣、錆びた爪
強い光を強調するため光の筋を足しています。また、一色だけでなく虹色の素材を足して光を見た時の複雑に見える色合いの表現も足しています。
デジタル、サイバー感に行き過ぎず・離れ過ぎず、で結構気に入っています。
©冲方丁・KADOKAWA/WOWOW, ソニー・ピクチャーズ, クランチロール