『ばいばい、アース』の撮影処理BeforeAfter動画を公開!!
後編となる今回は2025年4月4日より公開された『ばいばい、アース 第2シーズン』11話~20話までをまとめました。
前編同様撮影スタッフのコメントもありますので、比較動画と一緒にお楽しみください。
第十一楽章 郷愁。いま残響に芽吹く
キャラクターには各々発光処理を足しています。キャラクター自体が発光しているものとキャラクターの周りにオーラを纏っているもので発光している部分を変えています。また、水中の表現するために水面からの入射光や泡を足しています。
大木から光の粒子が空間に飛んできているように見せるため手前、奥に光の粒子のサイズを変えて配置しています。また、手前の粒子には深度ボケを入れてより手前にあるように見せるために調整しています。
第十二楽章 嘆願。死を託す楽園
作画の動きに合わせてブラーや画面動を足しています。火花の発光感も撮影で足しています。手前に近寄ってきた時に露出を落とすことでカメラに近づいていることを強調しています。
ラスティネイル(剣)の変形、後半話数での登場シチュエーションが幅広く、どんな場面でも安定して表現できるよう汎用性の高い設計を意識しました!後半のモノクロシーンは強い光でハイコントラストになってモノクロに見えるというシーンになります。ですが、光の表現である虹色のフレアは色を残し、強い光を強調しています。
第十三楽章 対峙。爪先立ちて望みしは
火花に発光感を足す際に別で用意して頂いた作画素材の火花も指示に合わせて配置し、より迫力のある映像になるように調整しています。また、露出の変化を付けてキャラクターとカメラの距離感をより強調しています。
作画のオーラエフェクトに合わせて発光感を足しています。発光する箇所を調整しキャラクターがしっかり見えるようにしています。
第十四楽章 懐疑。ことわり思うが故に
鳥の3Dモデリング~燃えるエフェクト~撮影と幅広い工程を担当しました。渾身のシーンなので是非ご視聴ください🐥🔥(鳥担当)
大変でした!!よく燃えていて印象的な一連になりました!⌚(時計と鳥の中担当)
雷を撮影で配置しています。それが強い光のため雷が直接見えないカットでも雷による明滅を足しその空間に雷が発生していることを表現しています。
第十五楽章 止揚。蕾捨て花開くとき
シャボン玉には過去話数のスクリーンショットを貼っています。シャボン玉に映って見えるように球体にそって歪ませていたり、透けるように調整しています。
ベルのオーラが「黄色⇒オレンジ色」と変化するという流れがあるので、オレンジ色の印象がしっかり表現できるように意識しました!(強すぎると黄色く見えてしまうので・・・)
第十六楽章 背理。剣の声音に問う
光の矢はフレアを足すだけでなく発光感の強調のためにレンズフレアを足しています。その際に光の強弱をつけることで映像にメリハリを足しています。
地面の処理は作画をマスクに撮影でテクスチャを足して発光させています。テクスチャがもやもやしているためそれに合わせて作画の境目ももやもやさせて馴染ませています。
第十七楽章 狂騒。NOWHERE
最初の紫の炎は監督からの相談で撮影で作画素材の形を変形させています。より複雑なディテールになり情報量が増えるような調整をしています。
様々なフィルターが入っているシーンになります。光の粒子やノイズ等の細かいものから画面全体に薄い光の明滅を入れたりして画面に変化を付けています。
第十八楽章 聖歌。EREHWON
監督より「とにかく派手に」とのリクエスト頂いたエフェクトだったと思います。ある種の吹っ切れたような爽快感と共に、豪華絢爛!な印象が伝わっているとよいのですが・・・
こちらも光の粒子が飛んでいるシーンは監督から派手にとリクエストあったためかなりの光量を足しています。背景が暗いため光の粒子とキャラクターが良く映えるカットになっているかと思います。
第十九楽章 理由。MOONWORK
物語上、機械的・SF的な印象表現を避けるように進めていた中、ついに来た「解禁ポイント」として捉え、ビカビカに!
虹色のオーラと虹色の斬撃という指示だったためそれに合わせてフレアにも虹色のものを足してより虹色の発光であることを強調しています。
最終楽章 旅人。ただ今ここに在りし
作画素材を虹色に発光させて光の粒子を足しています。地面に入るところの波紋も撮影で作成して作画のタイミングに合わせて波紋が広がる動きを調整しています。
最初のカットの周りに飛んでいるキャラクター達は監督の指示で透けて見えるよう調整しています。色を置かずにキャラクターの下部分を歪ませることで、透けてはいるがそのキャラクターを通して光がねじ曲がって見えるように調整しています。
©冲方丁・KADOKAWA/WOWOW, ソニー・ピクチャーズ, クランチロール